■ 2004年 12月31日(金)

 恥ずかしながら「実録 Yahoo!Auctins Trouble」 


 ネット取引は、自己責任に基づく個人取引であること
 


 年末にふさわしくない話題であるが、ネットワーク犯罪を極めてレアーケースとして捉えていた私として、こんな悔しい事故を新年にまで持ち越したくない。記録し事例発信として読者にお伝えしておこうと思った次第です。少々お付き合い願えればと幸いです。

 健康のため信州に住まいするよき環境を活かしてトレッキング程度の山登りを楽しんでいる。特に山頂付近の朝夕の山並みの美しさは誰でも言葉にできない感動を受ける。
こんな感動を残したく、少々贅沢ではあるが800万画素、WideZoom付きのデジカメOlympusC−8080をゲットしようと同オークションを調査し始めたのが発端である。個人的には、オークションビギナーではあるが、10数回とてもよい買い物を経験したことがあった。
 1〜2週間ほど購入するか否かの迷いも含めて出品状況、落札状況をウオッチした。出品の中でも出品回数が多く悪い評価のなかった出品者の商品を見つけ、納品が15日以内にの条件が気にはなったが、登山予定までは間に合うだろうの判断から入札し、9/9になんとか落札できた。
千葉・鎌ヶ谷市の○井正弘出品で67,200円。量販店価格より3〜4万円は格安であった。

 通常どおり翌日9/10には○井正弘から落札案内メールが届き、2回目の連絡で入金方法の連絡があった。非常に正確で丁寧な案内であり、全く疑うこともなく休日を挟んだ9/13に指定口座UFJ船橋支店に入金をした。ここまでは一般的な手続きで疑う余地もなかった。

 問題はこれからである。当初予定の15日以内に対し予定日あたりの9/28に納期の問合せメールを出した。1週間まったが返信は来ない。ム−。10/5に再度メールしてみる。
なんの返信もないことから、「もしかして・・・」ての嫌な予感。記述のあった電話、携帯電話に何度も連絡してみる・・・・・・・・結果、「不在」、「電源が入っていない」であった。

 
ここからは、Yahoo!Auctionsの補償制度の紹介である。
Yahooに問合せメールを出すと、事故の可能性が高いことから、Yahoo事故受付の登録を促す返信が届き、警察での手続きと並行するよう案内がある。補償手続きを示す専用ページのURLを見る。
かなり大変な手続きが必要なのを感じつつ、この際諦めずまた各制度、機関を経験することも目的に対応してみようと考えた。
 補償手続きによると以下に該当する場合は対象外となるとのことであった。
  1. 出品や落札の態様や取引状況に照らして詐欺などのトラブルに遭う危険性が高い次の場合
  2. 利用規約やガイドライン違反に該当する次の場合
  3. 次のような場合であって詐欺に起因するものではないとYahoo! JAPANが判断した場合
  4. 加害者またはその関係者、保険会社等から損害の賠償を得ている場合
  5. 補償金請求手続の円滑な遂行を妨げる次の場合
  6. 補償金を請求される方の親族もしくは雇用者または被用者との取引である場合
  7. 補償金を請求される方が法令に違反していた場合
以上がまず対象にはならないとの判断から、必要な手続きをとることとした。大きく2つの手続きが必要で
 ひとつめは、ハイテク犯罪として各都道府県単位にある県警ハイテク専門部署とのコンタクト。
結果、調書を取るために地元塩尻署生活安全課に出向き、経緯および状況を刑事係長に説明する。感想として、ただ怖いという事前の意識に対し丁寧に対応してもらい、その対応に爽やかな印象さえもった。結果、事故登録番号を得た。但し、この程度の事件で警察が連携して動いてくれる感触はない。
 ふたつめは、自己の範囲で調査できる内容として、書留の一種「内容証明郵便」の作成と発送である。法的意味をもつ文書ということなのか、横方向文字数の規程まである書式の決まった文書である。3通用意し郵便局で証明をもらい発送する。つまるところ郵便局の配送ネットを使用して本人所在確認、確かにその内容が本人に伝わっていることを証明するものである。数日して、鎌ヶ谷郵便局から該当住所に当事者はいない旨の返信が届いてしまった。
 これで必要な情報が整い前手続きが完了したことになり、よっやくYahoo補償届けを出すことになった。手順は結構やっかいな入力作業であり、さらに1次フィルターであることを直感した。
1ヶ月くらいかかるとの事前連絡の中で数日後補償対象外である通知がきてしまった。内容は前述補償対象外の中の1項でさらに細則2項
「落札後に商品を調達する出品の場合商品発送、代金送付などの一方当事者の履行期が相手方の履行期から合理的期間を超えて遅延することが予め表示または通知されている出品の場合」とのこと。今回の入金後15日以内の納品を指しているらしい。再度、その詳細について問い合わせたものの対応は丁寧な文面であるものの、内容に関する判断基準については何の追加説明もなかった。
納得できないままに打つ手段がなくなく数日が過ぎた。
 Yahooの対応に対して納得できない理由から、松本の「消費者生活センター」にあたってみることとした。やはりはじめての利用であった。(なんとこの機関が県商工部のひとつの現地機関であるとのことにまた驚いた)こちらの意思を感じ、上位機関の「国民生活センター」への同一事例の紹介、Yahoo問合せを行ってもらえるとのことであった。結構、親身になって動いてくれるものと少々感心した。
 数日後、電話にて回答をいただいた。オークションは手元に商品があることが前提である。また15日以内を判断するyahooの合理的期間についての公表はできないとのことであった。・・・・・・・・・・・・・・

 振り返ってみると、結局決まりきった結論であったのではなかろうか。ネット取引は、自己責任に基づく個人取引である。これが全てである。またYahoo規程を改めて見直すと体系のない継ぎ接ぎ状態の規約である。このことから、水面下にはもっとたくさんのネットトラブルが存在していることが図りしえ た。

参考になったかどうかは不明です。が、私のYahoo!Auctionsの現状認識、イメージが大きく低下したことだけは間違い ない。読者の注意を喚起を促すとともに、ご意見をいただくことができれば幸いです。
                                                    以上

 

-P.15-

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